製造における技術(ハンズオン):ハンティンドンヤーンミル社(HUNTINGDON YARN MILL)アメリカ製メーカーとしての製糸業

(動画:1分38秒 音が出ます)

この記事は、「ハンズオン」の7番目の記事です。「ハンズオン」は、製造と製造に関わる人々、機械、および製造工程を称えるための一連の非公式の投稿です。

フィラデルフィアのポートリッチモンド地区のすぐ近くに家族経営のハンティンドンヤーンミル社があります。工場建物、機械、そして人々は、フィラデルフィアの歴史的な製造業の過去を反映しているだけでなく、地域で生産したいと考えているデザイナーやメーカーに対して、隠された宝石が発見されるのを待つように、この会社も再評価されるべきだと考えます。もし製造工程の良し悪しが分かっており、製造のプロセスについて十分な知見を持っている場合は、この地でデザイン及び製造ができることが利点です。

会社概要

ハンティンドンヤーンミル社(Huntingdon Yarn Mill)は、Fay氏とMajid Jarah氏が所有しています。 Majid氏は30年前にこの会社のビジネスパートナーとして働き始め、その後工場の経営権を購入しました。それ以来、このビジネスは家族や友人関係と同様に、重要な生活基盤となりました。約50人の従業員が従事しており、そのほとんどが近所に住んでいます。彼らはこの地域の他のほとんどのメーカーの従業員と同じ働き方をしているようです。経営者は従業員を家族を愛するように大事にしています。兄弟、配偶者、およびさまざまな世代の家族全員が同じ屋根の下で働いているのを見ることは一般的です。

天然繊維、絹、リネン、レーヨンの素材であろうと、製品品質が最も重要な要素です。ハンティンドンヤーンミル社は、高品質の素材を生産することで顧客の支持を得ています。オーナーのMajid Jarah氏によると、この際立った高品質の理由は、新しい機械は細部を実現できない一方、完璧な細部を再現することが出来る1930年代製の実績のある紡績機械を大切に使用することによるものです。

2年前、ハンティンドンヤーンミル社は「アメリカ産の糸」を発売しました。これは、米国で製造および染色された消費者向けの糸に焦点を当てた派生商品です。同社は3つの主要市場向けの糸に焦点を当てています。家庭用家具向け、衣類/アパレル向け、手編みクラフト産業向けです。これらの中の1つに金属糸の使用があり、金属糸とナイロン、レーヨン、アセテート、またはシルクを組み合わせの製品に特長があります。

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製造工程

ウェインミルズ社を紹介した最初(VOL-1)のハンズオンビデオでは、同様に製造プロセスについて詳しく説明しているので、ここでは簡単に触れます。糸は、生産、染色、仕上げの3つのステップで製造されます。

1.糸は、撚り機や巻き機と呼ばれる機械を通して送られ、糸の巻き枠へと巻かれて行きます。徐々にこれら機械を通りながら糸となり、大きな「かせ」に巻き取られ、独特のパターンまたは模様を作成します。「かせ」とは、基本的に素材を緩く枠に巻かれた状態です。

2.この「かせ」はさまざまな染色材に浸されるため、糸材料は緩く巻かれております。すべての工程で、特有の染料に浸され、次に洗浄され、最も純粋で最もきれいな色へと染料処理が行われて行きます。ハンティンドン社は、素材のタイプに応じて、自然染料と酸性染料を使用しています。

3.ゆるく巻かれた「かせ」は、染色後に乾燥室で吊るして乾燥させます。その後「かせ」は最後にスピンドルに巻き取られて製品化し、様々なメーカーや繊維業界、一般消費者に販売される準備が整います。

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社長からの手紙

社長のMajid Jarah氏が自社のウェブサイトに「ハンティンドン社がどういう会社であるか」を明確に表現している、社長から顧客、従業員に向けてかかれたメッセージがあるので、ここに紹介します。

「親愛なる会社関係者、お取引先、取引を検討していただくお客様へ,

(社長の私は)イギリスのマンチェスターにある繊維大学を卒業後、ハンティンドンヤーンミル社の購買エージェントとしてアメリカでビジネスを始めました。その後約14年前に、私は多くの方より出資を得ることにより、この会社の経営権を取得しました。 この会社は30年以上のテキスタイルの経験があり、アメリカ国内のテキスタイルメーカーであることに誇りを持っています。

ハンティンドンヤーンミル社の従業員は、今後何年にもわたって我々の会社で仕事を続けたいと望んでいる50人のチームです。私たちは本当に家族経営のビジネスです。工場長のジェシー氏は、彼の人生のほとんどでを繊維業界で働いています。当社のオフィスマネージャーであるバーバラ氏は、25年以上会社で働いています。彼女の母親、ロレッタ氏は、3年前に引退する前に50年以上ここで働いています。バーバラ氏の娘も3年前まで一緒に働いていました。妻のフェイは、染色部門とマーケティング部門で働いています。私の娘のランナとサラは、学校が休みの時はいつもアルバイトをして手伝ってくれてます。

家族経営の企業として、私たちはサプライヤーや顧客に対して、製品品質の価値に忠実であり続ける約束をします。そしてできるだけ国内メーカーから原材料を購入しています。アメリカのサプライヤーに仕事を依頼することは、私たち自身の仕事も保証されることです。アメリカ人の間では、アメリカ人自身が国内の仕事を作り出すことに輝かしい価値を見出しますが、いざ仕事を依頼する際は、コストの関係上この行動を取ることに消極的になります。

海外から製品を購入する方が、費用対効果が高いように見えるかもしれませんが、結果は必ずしも、品質効率が良い選択であるとは限りません。国内メーカーは未だ世界で最高品質の製品を作っています。しかしながら、私たちが今行動を起こさなければ、国内メーカーが提供している貴重で利用可能なリソースを失うでしょう。最も信頼性の高い羊毛と綿紡績機は未だアメリカにあります。信じられないかもしれませんが、当社は目新しい糸を中国に発送しており、そこではアメリカに戻る前に衣服にされています。

昨年、ニューヨークで開催された繊維展示会にブースを出展しました。若いデザイナーの訪問者のほとんどは、フィラデルフィアに未だに繊維工場があったことを知り驚いていました。同時に、大手ファッション企業は、顧客がアメリカ製の製品を要求していると発言しています。 「なぜ国際的に有名なアメリカの会社にもっと多くの製品を売れないのか」と尋ねたとき、それは考え方の問題だと言われました。アメリカ製の製品と、より高価なヨーロッパ製の製品のどちらかを比較選択できるデザイナーは、事実と異なる口実を用いて、アメリカ国内の製造品を選ばないでしょう。

機会を与えられれば、米国の製造業者は海外のサプライヤーと同等かそれ以上の製品を製造できることは間違いありません。その結果として国内一貫製造の安心と品質信頼を得ることができます。アメリカ製品を選択することは、アメリカ人に仕事を提供し、私たち全員にとって良い循環となります。

この機会に、海外製品とアメリカ製である弊社製品を比較検討していただければ、我が社への選択が正しいことを証明できます。お読みいただきありがとうございました。社長 Majid Jarah 」

独自の糸の生産を検討している、または興味がある場合は、www.hymill.comに是非アクセスしてください。 今回の見学を促進してくれたカレンランダル氏とフィラデルフィア商工会議所に感謝します。


製造における技術(ハンズオン):ハンティンドンヤーンミル社(HUNTINGDON YARN MILL)アメリカ製メーカーとしての製糸業

2014年11月5日:アナログウォッチコーの投稿

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